「演奏してみた動画」の作り方を予算・難易度別にまとめてみた話
こんにちは、sansonです。
スマホやPCを使って「演奏してみた動画」を作る方法をまとめてみました。
これまで私は、演奏動画をスマホで作ってみたり、PCフリーソフトだけで作ってみたり、様々なパターンで動画作成を試してきました。
今は有料の音楽編集・動画編集ソフトを使って作っています。
↑今ではこんな演奏動画を作れるようになりました↑
そんな私が、おそらく世の「演奏してみた」勢がたどる演奏動画作成方法とそのSTEPを、難易度や予算ごとにまとめてみました。
演奏動画を作りたい!しかし、どうやって演奏動画を作れば良いんだ!?
という方はぜひご参照ください。
【目次】
- はじめに:各STEPのまとめ
- STEP1:スマホだけ
- STEP2:スマホ+スマホ用マイク
- STEP3:スマホ+オーディオインターフェース+マイク
- STEP4:スマホ+レコーダー+動画編集ソフト
- STEP5:スマホ+PCで録音(フリーDAW or フリーソフト)
- STEP6:スマホ+PC有料DAWソフト
- STEP7:高性能カメラ+PC有料DAW
- 【最後に】オススメの作り方と、ステップアップルートは?
はじめに:各STEPのまとめ
まずはじめに、各ステップの難易度や予算、必要なものを以下の表にまとめてみました。
(拡大して閲覧してください)
ざっくり7ステップに分けてみました(多くてスマン)
STEP1~3はスマホを中心に演奏動画を作成するスタイル
STEP4~7はPCを使って演奏動画を作成するスタイル・・・という感じです。
「オススメ!」には、私が個人的にオススメのSTEPをピックアップしてみました。(理由は後述します)
では、それぞれ見ていきましょう。
STEP1:スマホだけ
最も低難度&低予算でできる方法です。
ソロの場合、そのままスマホで動画を撮影すれば良いですし
何か伴奏と合わせたければ、スピーカーから伴奏音源を流し、自分の楽器の音と一緒に録音してしまいましょう。
もちろん、音質も画質もそれ相応です。
まずは演奏動画を撮ってみたい!という方は、スマホだけでも撮れるんですよ!物怖じせずに、撮ってSNSやYoutubeにUPしてみましょう!
まずはここから!
STEP2:スマホ+スマホ用マイク
- 難易度:★★☆☆☆
- 音質 :★★★☆☆
- 画質 :★★★☆☆
- 予算 :10,000~20,000円
- 必要なもの:スマホ、スマホ用マイク、(映像編集アプリ)
- どんな人にオススメ?:手軽に高音質でソロ演奏を撮りたい人
生音系楽器の場合、スマホとスマホ用マイクで収録するのも、手軽で高音質で収録が可能な方法です。
特にピアノやギターなど、ソロで演奏する場合はこの作成方法がおすすめです。
逆に、伴奏を必要とする楽器の場合は、この方法はオススメしません。せっかく自分の演奏を良い音で録音しても、伴奏音源を高音質で乗せるのが難しいからです。
STEP3以降をオススメします。
ひとつ注意点なのが、スマホ用マイクの大半がiPhone用であること。
Android用を謳う商品も出回っていますが、Androidスマホは各スマホメーカーごとに内部ソフトがカスタマイズされているため、機種によってはマイクを取り付けても反応しない・・・なんてことが多いので注意が必要です。
XperiaやGalaxyなど、大手のスマホならだいたい動きますが、中華系のスマホの場合、マイクを認識しないこともしばしばです。
Android勢の皆さんは、残念ながらSTEP4以降をオススメします。
(もしくはiPhoneを買いましょう。)
オススメ機種1:iQ6(ZOOM製)
10,000円程度で購入可能なiPhone用マイク。
マイクを楽器に向けて録音します。
スマホをスマホスタンド等に固定して、楽器に向けるような使い方になりますかね。
スマホのカメラの向きとマイクの向きが合わせられないので、録音と撮影は別々に行う必要があります。(録音したあとに、その音源を聴きながら演奏してるフリをして撮影するということ)
オススメ機種2:MV88A(SHURE製)
16,000円程度で購入可能なiPhone用マイク。
MV88はマイクの向きが自由に変更できるため、iQ6とは違い、録画しながら、マイクを楽器に向けて録音することも可能です。
専用のアプリを使えば更に高音質で録音することも可能です。
STEP3:スマホ+オーディオインターフェース+マイク
- 難易度:★★☆☆☆
- 音質 :★★★☆☆
- 画質 :★★★☆☆
- 予算 :5,000~10,000円
- 必要なもの:スマホ、オーディオインターフェイス、マイク
- どんな人にオススメ?:手軽に伴奏音源と合わせて撮りたい人
楽器の音をスマホに接続したオーディオインターフェイスで取り込み、それを
①カメラアプリでそのまま収録する
もしくは
②録音アプリで一旦録音し、スマホの動画編集アプリで音源と動画を組み合わせる
という方法で演奏動画作ります。
例えば
- パソコンから伴奏音源を流しつつ、エレキギターを収録する
- 電子ピアノで伴奏を弾きながら歌う
みたいな使い方をしたい人は、この方法がおすすめです。
Q. オーディオインターフェイスって何?
A. スマホやPCに音を取り込むための機械です。電子楽器の音やマイクが集音した音をオーディオ信号に変えて、スマホやPCに送ることができる機械(インターフェイス)です。
スマホ用のオーディオインターフェイスとしてオススメしたいのはYAMAHAのAG03。
オーディオインターフェイスとして使えるのはもちろんのこと、AG03単体でリバーブ(エコー)をかけたり、自分の演奏と伴奏を同時に録音することもできる超万能機種です。
マルチな使い方ができる定番機として地位を築いている機種なので「とりあえずこれ買っとけ」的な機種でもあります。
のちのち、STEP5以降でも活躍できる機材なので、買っておいて損は無いかと。
私は1つ上の機種のAG06を持ってます。
↓スマホ+オーディオインターフェイスで収録してみた演奏動画はコチラ↓
AG06にウインドシンセサイザーと伴奏音源(タブレットから流しました)をつないで、スマホで撮影してみました。
電子楽器ではない場合、別途マイクも必要です。
オススメのマイクはSHURE社のSM57です。
SM57については別記事も書いていますので、ご参考までに。
workstylehack365.hatenablog.com
STEP4:スマホ+レコーダー+動画編集ソフト
- 難易度:★★★☆☆
- 音質 :★★★★☆
- 画質 :★★★☆☆
- 予算 :1.5~3万円
- 必要なもの:スマホ、レコーダー、動画編集ソフト
- どんな人にオススメ?:少し音質に拘って録音したい人
録音専用のレコーダーを使用すれば、より高音質に録音することが可能になります。
レコーダーで録音したあとは、音源データをスマホもしくはPCに取り込み、スマホで撮影した動画と録音データを合わせることで、高音質な演奏動画の完成です。
おすすめのレコーダー2選
以下のような方には、Zoom社のH4n Proがオススメです。
- 音の大きい楽器を録音する(サックス、トランペット、ドラム等)
- 外付けマイクも使ってみたい
Zoom H4n Proについては別の記事でまとめていますのでご参考ください。
workstylehack365.hatenablog.com
以下のような方には、TASCAM社のDR-07Xがオススメです。
- コスパよく高音質に録りたい
- ソロだけでなく、複数人数でも録音もしたい
演奏録音用のレコーダーとして、DR-07Xは定番です。
昔、使用していたことがありますが、ピアノの音などもキレイに録音することができます。
また、マイク部分が可動式なので
ソロ演奏をピンポイントで録音したいときはXY方式
複数人数の演奏を離れて録音したり、アップライトピアノの上に置いて録音したりするときはAB式・・・と、使用条件に合わせて使い分けることも可能な万能レコーダーです。
STEP5:スマホ+PCで録音(フリーDAW or フリーソフト)
- 難易度:★★★★☆
- 音質 :★★★★☆
- 画質 :★★★☆☆
- 予算 :15,000~30,000円
- 必要なもの:PC、オーディオインターフェイス、マイク、録音・音声編集用フリーソフト、スマホ、映像編集アプリ
- どんな人にオススメ?:多少難しくても良いから、低コストで高クオリティの演奏動画を作りたい方
少し難しくてもよいから高音質で「演奏してみた動画」を作りたい!けどコストはできるだけ控えめに!
という方にオススメの方法です。DTM(デスク・トップ・ミュージック)や宅録と呼ばれる手法です。
大きく2パターンの録音方法があります。
1.オーディオインターフェイスに付属されたDAWを使う
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)とは音楽制作用のソフトのことで、世の宅録勢は基本的にこのDAWというものを使って録音・楽曲作成・編集を行っています。
オーディオインターフェイスは前述の通りで、PCで録音する際にも必要です。
定番のDAWと言えばCubase、Studio Oneあたりです。
人気DAWソフトランキング2020年 結果発表!3952人に聞きました
実はオーディオインターフェイスを購入すると、これらDAWの下位グレード版が無料で付属してくるものがあります。
【DTM】オーディオインターフェイスの人気No.1はどれ?3272人に聞いたベスト5(2020年版)
オーディオインターフェイスの中でも、コスパと品質の良さで人気の高いSteinberg社のURシリーズには、Cubase AIが付属しているので、それをインストールすればすぐに録音が可能です。
また、STEP3で紹介したYAMAH AG03にもCubase AIが付属しています。
もうAG-03買っとけばとりあえずどうにかなる気が。
ただし、初心者の人は、いきなりDAWを立ち上げても、初見では何をどこからいじれば良いかサッパリです。
(私はPCから音が出るように設定を変更するのに4時間かかりました・・・)
使い方マニュアルのような本を併せて購入して、勉強するのがオススメです。
↓私はコレを読んで勉強しました↓
3分でPCから音が出るようになった・・・泣
2.ややこしくない録音フリーソフトを使う
できればDAWの使いこなしに挑戦してみてほしいですが、前述の通り少し勉強を要するので、とりあえずPCで録音できれば良いやという人は、フリーの録音ソフトを駆使する方法もオススメです。
↓過去記事にまとめてますので、ご参照ください↓
workstylehack365.hatenablog.com
STEP6:スマホ+PC有料DAWソフト
- 難易度:★★★★★
- 音質 :★★★★★
- 画質 :★★★☆☆
- 予算 :50,000~100,000円
- 必要なもの:PC、オーディオインターフェイス、DAWソフト、スマホ、動画編集ソフト
- どんな人にオススメ?:とにかく高クオリティの演奏動画を作りたい人
STEP5で出てきたDAWの有料完全版を購入するパターンです。
ここまで来ると、どんな楽曲制作も可能になります。
DAWの有料版では、下位グレード版には付属していない様々な機能・エフェクトを使うことが可能です。
例えば
- 外したピッチを修正する
- 残響(リバーブ)を付けてプロっぽい仕上がりにする
- 録音で入ってしまったノイズを消す
みたいなことまで可能になります。
ここまでくればあなたも立派な宅録勢、DTMer・・・!
スタインバーグ Steinberg DAWソフトウェア CUBASE PRO 10.5 通常版 CUBASE PRO/R 最先端のミックス機能 80種類のオーディオエフェクト搭載
- 発売日: 2016/12/09
- メディア: エレクトロニクス
↓この方法で作ってみた演奏動画はコチラ↓
STEP7:高性能カメラ+PC有料DAW
- 難易度:★★★★★
- 音質 :★★★★★
- 画質 :★★★★★
- 予算 :100,000~300,000円
- 必要なもの:PC、オーディオインターフェイス、DAWソフト、高性能カメラ、動画編集ソフト
- どんな人にオススメ?:動画クオリティにもこだわりきった演奏動画を作りたい人
STEP6で録音環境が整ったら、あとは撮影環境を整えるだけです。
良い録画クオリティのために、良いカメラを買いましょう!(語彙力)
一方で、様々な撮影環境を試して分かったのですが、最近のスマホは、カメラ単体と比べても、動画の画質が非常に良く、品質で負けないものが多いです。
スマホのカメラが2眼や3眼になっているような高品質のカメラを搭載しているスマホを普段使っているのであれば、それで録画するだけでも事足りる気がします。
ではカメラを買うことにどんなニーズがあるかというと
- スマホ以上の高画質で録りたい
- 背景にボケ感のある高画質で録りたい
という2点かなと思います。
スマホ以上の高画質で録りたい
高画質と一口に言ってもアレなので
- 4Kとかでとりたい=解像度を上げる
- ヌルヌル動く動画にしたい=フレームレートを60fpsまで上げる
- キレイに動く動画にしたい=ビットレートを上げる
の3点を理解することが大事です。
↓YoutubeやTwitterへ演奏動画をUPする際の適切な画質設定をまとめてみています。↓
workstylehack365.hatenablog.com
スマホ以上の画質で撮るには、センサーサイズの大きいカメラで録りましょう。
世のVloger御用達と言えばSONYのRX100シリーズかなと思います。
私は過去、RX100M5Aを使っていました。
SONYのコンデジRX100M5Aでサックス演奏動画を試し撮り。
— さんそん/ sanson 🎷🌵 (@sangsongsing) July 18, 2020
背景のボケがエモいのにTシャツのペローンがダサくて悲しい。
内蔵マイクでも結構キレイな音質で録れるなぁ🤔#RX100 #RX100M5 #RX100M5A pic.twitter.com/ZLhZivCLKn
【ゲーム音楽演奏】タルタル山脈 サックス四重奏 ゼルダの伝説夢をみる島/ Tal Tal Mountain Sax Quartet from Zelda Link's Awakening
↑録ってみました
背景にボケ感のある高画質で録りたい
もうここまで来ると最上位「演奏してみた動画」かと思います。
ミラーレス一眼やフルサイズの一眼で撮るパターンです。
The House of The Rising Sun | Cover by Kürşat | Sony A7 III
↑こういうやつですね。
ミラーレス一眼だとセンサーサイズ大きめのAPS-Cタイプがオススメです。
また、自撮りしやすいように、液晶モニターが180度ひっくり返るモデルがオススメ。
↓ α6100で撮影してみた演奏動画はコチラ↓
↑サックス吹いてるのが、α6100で撮影した私です↑
カメラについては、SONY RX100M5Aを買ってみたのですが、もうちょっとボケ感が欲しくてSONY α6100に切り替えました。
小型なカメラが良いなぁという方にはRX100シリーズがおすすめです。
【最後に】オススメの作り方と、ステップアップルートは?
上述の通り「演奏してみた動画」の作り方と、そのレベルアップの旅路は大きく7STEPあるかなと思います。
私は、こじらせすぎて、STEP7まで来てしましました(嗚呼、散財。)
私は、STEP1(スマホだけ)から地道に始め
STEP4
音質が物足りなくなってレコーダー購入
↓
STEP5
更に音質に拘りSM57購入&AG03付属のDAWで遊んでみる
↓
STEP6
ええい一生の趣味だ!DAW買う!
↓
STEP7
画質って大事だよねー(カメラに散財)
と来ました。
実はSTEP2&3(スマホ用マイクやスマホ用オーディオインターフェイス)は飛ばしてます。
音楽活動を一生の趣味にするなら、と思ったのもありますが、私自身サックス奏者なので、伴奏が無いと話にならないのも、スマホ用マイクのSTEPをすっ飛ばした理由のひとつです。
過去の自分の演奏活動をレビューし、昔の自分にアドバイスをするなら、以下のステップアップルートかなと思います。
- STEP1「スマホだけで作る」から始めて、演奏動画制作の楽しさを学ぶ
- STEP2「スマホとオーディオインターフェイス」で高音質動画を作ってみる。AG-03とマイクを買って録音する(何の機材が良いかわからず右往左往した・・・)
- STEP5「オーディオインターフェイスと付属DAW」で、試しにDAWを学ぶ
- STEP6「有料DAWとオーディオインターフェイス」でガチ動画作り(DAWに手を出すのに怯えて右往左往した・・・)
あと、読んでいただいて感じたかと思いますが、音楽制作の上では、AndroidスマホではなくiPhoneを持っていることも、演奏動画を作る上では結構キモになってきます。
Androidに対応している機種が少ない少ない・・・。音楽制作するならiPhoneを持っておいたほうが良い気がします。
時間もお金もかかる趣味ですが、一度慣れてしまえばとても楽しい活動です。
是非参考にしてみてください!