Zoom H4n Proレビュー。管楽器レコーディング用に買って2年経った話
こんにちは、sansonです。
今回は、ハンディレコーダーZoom H4n Proについてレビューしてみようと思います。
日頃、サックスを吹いている私が、どのレコーダーを買うか、悩みに悩んでたどり着いたレコーダーです。
音が良い。高音圧に耐えられる。外部マイク入力がある。
それらを兼ね備えた、推しレコーダー。
使って2年位が経ちました。名機。
Zoom H4n Proを選んだ理由と、実際の使い勝手を書いてみます。
【目次】
1.ハンディーレコーダーを購入しようと思った理由
ハンディーレコーダーを購入しようと思った理由は、純粋に自分のサックスの音を、手軽に、ポータブルに、良い音で録音したかったからです。
購入以前はスマホで直撮りをしたり、H4n Proの前に購入していたZoom H2nを使用して録音していました。
両者とも、手軽に録音できるのですが、マイク性能が高くないため、いかんせん音質がそこまで良くない。
もっとサックスの音を高音質で録れるレコーダーは無いかと探していました。
2.Zoom H4n Proを選んだ理由
性能の良いハンディーレコーダーを出しているメーカーといえば、以下の3社です。
この3社から、私の使用環境を考慮し、以下3つの条件に絞ってみました。
- 録れる音が良いこと
- 高音圧に耐えられるマイクであること
- 外部マイク入力があること
録れる音が良いことは言わずもがな。
また、高い音圧に耐えられるレコーダーであることもサックス吹きとしては重要です。
なんせサックスは、120dB以上の音が出るので、そこらのレコーダーではマイクのゲインが音圧に耐えられなかったりします。
更に、外部マイク入力があることも重要な選択ポイントでした。
ゆくゆくは宅録で一曲作って・・・のような活動も考えていたため、高音質の外部マイクを外付けできるレコーダーであれば尚良いなと考えたためです。
この3条件を満たすハンディーレコーダーを、上記の3社から発売されている機種たちを吟味して、たどり着いたのがZoom H4n Proでした。
2-1.とにかく録れる音が良い
まず大切な、録れる音の音質。
これはほぼ理想どおりの音質でした。
サックスをオンマイク(至近距離)から録っても、オフマイク(少し遠くの距離)で録っても、高音から低音まで良い音で拾えます。
また、マイクのプリアンプ(拾った音を増幅する回路)の性能も優秀で、ノイズも非常に少なく録音できます。
まぁだらだらレビューしててもアレなので、音を聴いてみてください。
上の写真のようなセッティングで、テナーサックスを録音してみました。
Zoom H4n Proは三脚に固定。
比較対象としてスマホ(Huawei P20)、また比較対象その2としてZoom H2nでも録音してみました。
距離は各機材からサックスのベルまで、だいたい20~30cm程度離しました。
Zoom H4n Proのマイクは90°設定。ゲイン設定は0.1~100の中で20。
Zoom H2nはXYマイク。0~10の中で0.5くらい・・・(音圧に弱い・・・)
同時録音しました。
①スマホ
比較対象。まぁ、あれですね。スマホですね。
スカスカ。あと、部屋の反響音をめっちゃ拾ってしまってます。
②Zoom H2n
比較対象その2として、同じくZoom社のH2nを参考に。
あら、意外と良い音。
③Zoom H4n Pro
お待たせしました。H4n Proです。
どうでしょう。
「・・・あれ?H2nも高音が綺羅びやかに録れてて、良いのでは?むしろH2n優勢・・・」と思った方、いらっしゃいませんか?私もそうでした。
ところがどっこい。バックバンド(ピアノ、ドラム、ベース)と合わせてみましょう。
①スマホ×バックバンド
まぁ、スマホです。違和感しか無い。
⑤Zoom H2n×バックバンド
良い感じではありますが、中音域にかけてやや音圧に欠け、バンドに負ける印象です。
⑥Zoom H4n Pro
ハイ、来た。高音から低音まで、バンドに埋もれない良い音で録音できてます。
バックバンドに合わせた音源はそれぞれ同じ加工をしてありますが(リバーブとコンプがけ。少しだけ高音強調)、H4n Proはバックバンドにも上手く混ざり合う良い音に仕上がっているかなと思います。これ、これなんですよポイント。
太い良い音で録音できるって大事。
2-2.高音圧に耐えられるマイクが素晴らしい
サックスをオンマイク(至近距離)で録りたいという私の希望と照らし合わせた時、Zoom H4n Proが最適な選択肢でした。
上にも書きましたが、私が吹いているサックスという楽器は、他の楽器とも比べてとにかく音が大きいです。
そこらへんのハンディーレコーダーでは、至近距離から録音すると、ゲインを落としきっても音が割れてしまう・・・なんてことが発生します。
上に書いた3社から発売されているハンディーレコーダーの耐音圧(メーカー公称値)を以下のリストに並べてみました(購入検討にあたって作ったリスト)
↑クリックorタップして拡大表示してください
3社のうち、ZoomのH4n Proが頭一つ抜けて高音圧に耐えられます。というかNo.1。
「いやいや、たかだか数dB、十数dBの差だったら、他のレコーダーでも録音できるでしょ」と思う方、侮ってはいけません。
Zoom H4n Proの前に、TASCAM社のDR-22WL(耐音圧125dB)を持っていましたが、オンマイクだとめちゃくちゃ音割れしました。
サックスのベル付近までレコーダーを持ってくると、たぶん130dBくらい出てるんですかね。。。ゲインを最低にまでしても割れまくりでした。。。
その点、H4n Proはサックスの音量も余裕でした。
音量ゲイン(どれくらいの感度で音を拾うか)の設定が0.1~100段階で選べるのですが、オンマイクでも、10~20くらいのゲイン設定で音割れせずに収録可能です。
サックス以外の音が大きい楽器・・・例えば、金管楽器やドラムの録音も余裕です。
2-3.外部マイク入力が便利
Zoom H4n Proには2つのXLR入力端子と、1つのステレオミニジャックが付いています。
↑ XLRとフォンのコンボジャック×2。
↑ ステレオミニジャックの端子。外部マイクやら、スマホとか繋げます。
これらを使用することで、ダイナミックマイクやコンデンサーマイクを外付けして録音することができます。
Zoom H4n Proにダイナミックマイクのド定番Shure SM57を接続して録音してみた動画はコチラ。色々と比較してみています。
Zoom H4n Pro×SM57と
高音質オーディオインターフェイスで有名なApogee One×SM57で
あまり音質が変わらなかったという・・・・。
(単音で聴けばもちろんApogeeで録ったほうが良い音なんですが、伴奏を載せてしまうとぶっちゃけ分からん)
2chあると、サックスの録音でも便利です。
特にソプラノ・サックスのマイキングでは、マイクを2本使うのが結構主流だったりするので
- XLR入力1でベル付近
- XLR入力2で左手付近
を、収録したり、、という使い方を私はしていました。
あと、変化球な使い方だと
- XLR入力にスマホを接続して音源流す
- H4n Proのマイクでサックスの音を拾う
・・・という使い方をすれば、サックスの音と一緒に、スマホから流れる伴奏をリアルタイム収録・・・なんてことも可能です。
(実はコレ、購入してやりたかったことの一つ。伴奏の音がキレイに入ります)
また、H4n ProのXYマイクはステレオミニジャックの外部接続とトレードできるので
- XLR入力にスマホを接続して音源流す
- ステレオミニジャックから電子楽器の音を拾う
という使い方も可能。
ウインドシンセサイザーのEWIとスマホ、H4n Proで録音してみた演奏動画がコチラ。
3.まとめ:音量が大きい楽器の人は、Zoom H4n Pro買っとこう
いろいろと書きましたが、サックスや金管楽器、ドラム等、音量の大きい楽器をハンディーレコーダーで録音するなら、現状Zoom H4n Proがイチオシかと思います(私はめっちゃ吟味してコレにしました)
また、音量の大きいバンドのリハ録音なんかも、Zoom H4n Proは音割れせず録音できて大活躍です。
ちなみに、私が持っているシルバータイプのZoom H4n Proは既に生産完了となっており、現在はH4n Pro/Blackが販売されています。
(色が違うだけで、中身は一緒です)
Zoom H4n Proは、良いぞ。