Sound Bacca〜サウンドバッカ〜

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Aston Originを管楽器吹きがレビュー。音が良くて携帯性最高のコンデンサーマイクだったという話。

こんにちは、サックス吹きのsansonです。

 

コンデンサーマイクAston Originを購入して半年くらいが経ったので、レビューしてみようと思います。

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  • 管楽器を高音質でレコーディングしたい
  • コンパクトで運用が楽なマイクが欲しい
  • 映えて、イケメンなマイクが欲しい

そんな私のニーズを満たすマイクを、探して探して辿り着いたのが、Aston Originです。

半年使った使用感や、実際にサックスを録音してみた生音等をレビューしてみます。

 

【目次】 

 

1.Aston Origin コンデンサーマイクについて

Aston Originは単一指向性のコンデンサーマイクで、Aston Microphone社が開発・製造しています。

1.1.Aston Microphone社について

Aston Microphones社は、2015年に設立された新進気鋭のマイク・ブランドです。

開発/デザイン/生産を全て英国国内で実施し、“Built in Britain”を謳っています。

社長のJames Young氏は、sE-Electronics社創設時のスタッフでもありマイク/リフレクションフィルターの企画に携わったそうな。

その経験を活かし、大量生産品とは一味違う「全く新しいマイク・ブランド」を作り上げるべく、独立/創設したのがAston Microphones社です。(Webサイト引用)

www.roland.com

1.2.Aston社のマイクについて

現在Aston Microphone社からは以下3種類のマイクが発売されています。

  • Aston Origin
  • Aston Spirit
  • Aston Stealth

Aston OriginはAston社のラインナップの中で最も小型の普及価格帯マイクです。
単一指向性のマイクで、最大入力SPLは127dB、PADは-10dBが可能です。

 

Aston Spiritミドルクラスのマイク。指向性が3種類(単一指向性、双指向性、全指向性)に切り替えられます。最大入力SPLは138dB、PADは-10dB,-20dBから選べます。またトランス回路(音を増幅する回路)を内蔵しているのも特徴です。

 

Aston Stealthイクラスのマイク。使用感は上の2機種とは異なり、円筒の長手方向へ指向性が向くフロントアドレスタイプです。

 

以上の3種のマイクが発売されているのですが、私は自分の運用目的にあたる「コンパクトで運用が楽なマイク」にあたるAston Originをチョイスしました。

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さてさて、ココからは私が実際にAston Originを使ってみた感想をレビューしてみたいと思います。

2.良いぞ、音が良いぞAston Origin

2.1.サックス、録音してみた(条件設定)

まず第一に、わざわざコンデンサーマイクを買うんですから、録れる音が良くないと意味がありません。

みなさんも録れる音がどんな音なのかがイチバン気になるのではないでしょうか。

「Aston Originって管楽器の録音用に、どうなの?」という視点でレビューしてみたいと思います。

 

さて、早速ですが、楽器録音用の定番ダイナミックマイクSHURE SM57と比較し、Aston Originで録音してみました。

 SHURE SM57についてはコチラにレビューしてみてますのでご参考までに。

 

workstylehack365.hatenablog.com

 


 

◆楽器の設定

  • Saxophone:Selmer SeriesⅡ
  • Mouthpiece:Yanagisawa Metal 7
  • Rigature: Rovner Versa
  • Reed: Vandoren JAVA 3

◆録音機材

Aston Originを使用する際は、ショックマウント等は使用せずに

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↑写真のように、Aston Originをホルダーで譜面台に固定して録音しました。(斬新だけど超コンパクトでしょ)

Aston Originとサックスのベルの距離は、だいたい30cmくらいになるように演奏しました。

はてさて、どんな録り音になるでしょうか。

2.2.サックス、録音してみた(音源)

まずは生音から

Shure SM57(比較対照)

 

◆Aston Origin

 

次に、これらを少し加工して、バックバンドをつけてみました。

Shure SM57 with バックバンド(比較対照)

 

◆Aston Origin with バックバンド

 

2.3.音質レビュー

Aston Origin、めちゃくちゃ良いですね・・・。

クセの少ない素直でクリアな音で録れているなと感じます。
高音域が強調されるわけでもなく、中低音域から中高音域まで非常にフラットに録音できている印象です。温かみのある音とでも言いましょうか。


変な癖が無い為、音源としての加工も非常にしやすいのが特徴的だなと感じました。
管楽器の場合、ホーン隊としてなら、イコライジングせずにそのまま使えそうですし、メインリード楽器としてなら、イコライザーで少しだけハイを持ち上げれば抜け感のある明るいクリアな感じにも仕上げられます。

SM57も思いの外、良い音で録れていますね。一方でAston Originと比較すると中域の薄さが気になります。
また、少しバックバンドから浮いてるようにも聴こえますね(編集でどうにかなる気もする…)

……という感じで、管楽器吹きの私としては十分に満足のいく音質で録れるマイクです。Aston Origin。

3.コンパクトで取り回し性最高

私がAston Originを選んだ理由の2つ目が、取り回し性の良さです。

3.1.サイズと重量

Aston Originのサイズと重量は以下の通り。

  • 寸法(ヘッド径×全長)54×125mm
  • 重量          450g

コンデンサーマイクの定番モデルとして有名なAudio-technicaのAT2020は、サイズ(ヘッド径×全長)が52×160mm、重量が345gです。

 

Aston Originは少し重さがありますが、サイズはAT2020と比べて小ぶりです。

3.2.ショックマウント不要

ポイントなのが、Aston Originには内部にショックマウントが内蔵されている点。

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マイクを分解してみました。

ダイヤフラムと本体を、軟質のゴム状のもので固定しており、本体から伝わる振動がダイヤフラムに伝わらないように設計されていることがわかりました。

これにより、通常コンデンサーマイクを支えるために必要なショックマウントが必要なくなります。

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↑こういう、マイクを支えるやつ。大きくてかさばるからキライ・・・。

3.3.スタンドアダプタ内蔵

また、マイクスタンドに固定するスタンドアダプタがAston Origin本体に付いているため、Aston Originをマイクスタンドに直接固定できることも、他のコンデンサーマイクとは異なる点です。

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このおかげで、持ち歩かなければいけないものや、設置しなければいけないものが大幅に少なくなり、かなりコンパクトな録音環境が実現できます。

3.4.私のAston Origin設置方法

さらに、このレビューの冒頭でも紹介した通り、Aston Originを、下の写真のように、クランプ雲台で譜面台に固定してしまえば、めちゃくちゃコンパクトな録音環境の完成です。

 

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少なくともサックスの演奏・録音をするくらいであれば、内蔵ショックマウントのおかげもあり、マイクが床の振動を拾ってしまったりすることは感じませんでした。

3.5.私のAston Origin持ち運び方法

Aston Originを持ち運ぶ際も、非常にコンパクトになるように、シンデレラフィットするケースを探して、探して、探して・・・・見つけました。

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www.muji.com

ま さ か の 無 印 良 品 。

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このケースの内側に、クッション材を貼り付け

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吸湿剤と一緒に

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スッポリ収まるようにして持ち運んでいます。

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携帯性が最高。

4.そしてデザインがカッコイイ

最後に語りたいのが、Aston Originのデザインのカッコよさ!!

 

胴体はタンブル加工という処理で研磨された金属を使用しており、塗装無しで美しい素材感が表現されています。

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他のマイクではなかなか無いこの仕上げのおかげで、傷に強く耐久性も高いのが特徴です。

また、波形形状のメッシュヘッドも、他のマイクにはない独特の形状であり、外部からの衝撃を吸収しつつデザインも両立した機能美がたまりません。。!!

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Aston Originで録音してるだけでテンションが上がります(もうコレが一番大事)

5.Aston Originの残念な点

音は良し、携帯性も良し、デザインも良しなAston Originですが、唯一残念な点があります。

それが

マイク端子とスタンドアダプタが近すぎて、色々干渉してしまう問題!!

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ぅおおおいマジかーーーー!!!!!入らぬーーー!!!

 

まぁ、マイクスタンドに固定せずに、ホルダーやカメラ用の三脚に固定したりしてる私がマイノリティなので、文句言う筋合いも無いと思うのですが。

マイク端子とスタンドアダプタにあまり距離が無いため、機材によってはXLRケーブルとマイク固定用機材がぶつかってしまって使えない、という欠点があります。

しかし、そこは創意工夫。

私はこういった延長アダプタを取り付けて、事なきを得ました。天才。

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6.総括

Aston Originを購入して半年ほどが経ちますが、購入して非常に良かったと感じています。

  • 管楽器を高音質でレコーディングしたい
  • コンパクトで運用が楽なマイクが欲しい
  • 映えて、イケメンなマイクが欲しい

という私のニーズをピタッと満たしてくれるコンデンサーマイクでした。

これからも愛用したいと思います。